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栽培のポイント

促成栽培のポイント

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定植

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定植前後から活着まで

  • 元肥は10a当り窒素30~35kgを目安とし、燐酸・加里の肥料成分もバランスをとって施す。
  • 最低地温18~20℃を保つ。特に地温の保持に努める。
  • 土壌水分・空中湿度も共に十分確保する。(定植前にベッド中心部まで充分潅水をして定植する。小トンネルを使用すると更に良い。)
  • 前夜半のハウス内気温を実温で18℃確保、後夜半も15~16℃維持して活着を早める。
  • 定植後、株元潅水を最低2~3回行うが、地温を下げないように潅水量に注意し、冷たい水を直接根に与え過ぎないようにする。(水温18℃以上のぬるま湯でこまめな手潅水が良い)
  • 1条植え、2本仕立て(主枝と子枝1本放任)・3本仕立て(主枝と子枝2本放任)の何れの場合も栽植密度を低くする。

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活着

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7~8枚展開(活着後)から12、13枚展開まで

  • 活着(本葉7~8枚展開)後は、潅水はやや控え気味にする。(水分過多に注意する)
  • 実温で前夜半15~16℃、後夜半13℃に気温を保つ(気温を下げ過ぎて節間が極端に詰まり過ぎないようにする)
  • 子枝はベッド上から高さ40㎝程度まで整理(除去)する。
  • カーテンは25℃程度で開け始め、日射量を十分確保する。(カーテンを開けるとハウス内の温度が急激に下がるようであれば閉め戻す)

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雌花開花

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一番果開花から収穫始めまで

  • 生育が順調な場合は、主枝の8~9節から着果させる。活着不良の場合は、更に雌花を開花前後~肥大が始まる前に2~5節程度摘み取り一番果の着果節位を高くする。生長点下展開葉5枚での雌花開花になるよう管理する。
  • 1株中に雌花の開花数が3~4花と増えてきたならば、天候やその他の状況も考慮しながら少量の潅水を行い肥大を促す。
  • 低位の子枝(有効側枝)2~3本は1節摘芯とする。
  • 1番果の開花後、果実肥大が鈍いようなら最低温度を1℃位上げる。

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収穫開始以降の注意点

  • 順調な生育下においては、10節以降中段付近の子枝は2節止めとし、上段は1節止めとするが、草勢によって(子枝の発生が弱い場合)は芯を残し、半放任とする。
  • 収穫開始頃から潅水を増やし、草勢によっては追肥も始める。
  • 天窓・カーテンを閉める頃にハウス内を循環扇や暖房機送風等で攪拌することで温度むらをなくし、地温を確保し、上位枝の徒長を防ぐ。

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主枝摘芯時

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主枝摘芯時及びそれ以降の注意点

  • 主枝摘芯はベッド上140~150㎝位(18~20節まで)とする。10~14節の低節位摘芯により子枝を有効に利用する方法もある。
  • 主枝を摘芯する場合はその節の葉が水平に展開した頃に行う。この時3枚展開している子枝を1~2本確保する。
  • 収穫開始頃より収穫量、天候に応じてバランス(N、P、K)良く適正な追肥量を施す。(収穫量100~150箱(5㎏)/10aに対して1~2㎏/10aの窒素成分を目安に施す)
  • 草勢を見ながらバランス良くN、P、Kの補給を行う。
  • 下葉の整理は早めに行い、株元に光線が入るようにする。(特に日照量の少ない時や低温期)
  • 孫枝の発生頃より側枝(子・孫枝)の発生、伸びを確認しながら、混みあっている部分を中心に摘葉を行う。特に伸ばす枝が有る場合は、周囲の葉を先に摘葉する。
  • 潅水は、草勢、着果数、天候等を見ながら行う。(低温期の午後以降の潅水は、地温を下げキュウリの生育にマイナスとなるので避ける)

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収穫最盛期

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収穫最盛期以降の注意点

  • 孫枝は、草勢により1・2節~数節止め、半放任、放任とする。特に草勢が弱い場合は、摘芯をしばらくの間見合わせ、半放任或は放任とする。
  • 半放任・放任する枝数は、諸条件により異なるが、3~4本程度(2~3節伸びた枝)とする。多く残し過ぎて、徒長、過繁茂、光線不足にならないようにする。
  • 摘葉は、随時行い、採光・通風を図り、果実の肥大促進、草勢の維持を図る。

※上記は、主枝1本仕立ての一般的な摘芯栽培ですが、品種や作型、草勢等により仕立て方はこの限りではありません。子枝を最初から半放任(力枝)とする方法もあります。(ハウス栽培参照)

加温促成栽培の温度管理

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定植から活着までのカーテン開閉、換気、適温操作

  • 定植から活着までは、前夜半の気温を16℃以上確保、後夜半も15~16℃を維持して活着を早める。
  • 午前中の空中湿度は、十分保ち、萎れを防ぐためにカーテンの全開は避ける。

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本葉7~8枚から11~12枚までのカーテン開閉、換気、適温操作

  • 活着後(7~8枚以降)は午後~前夜半にかけて過度の温湿度低下を避ける。(午前中は過度の蒸込みをしない)
  • カーテンは25℃位で開け始めるが、一気に開けず、徐々に開けて午前中の空中湿度を適度(80%程度)に保つことが大切である。
  • 換気は25~26℃を目標に開け始める。
  • 換気は25℃、カーテンは18℃を下回ったら閉める。

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本葉11~12枚から収穫期までのカーテン開閉、換気、適温操作

  • 午前はカーテンを24~25℃、換気を27~28℃で開け始める。
  • 最低気温が13℃を割り込まないように温度を確保する。
  • 日中の天候が悪かった夜間は最低気温を1℃低くする。

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主枝摘芯以降における通常のカーテン開閉、換気、適温操作

  • 換気後に温湿度の急降下が見られたら、速やかに換気を閉める等の調整をする。
  • 午後は換気25℃、カーテン17~18℃で閉め、午後から夕方の温湿度を十分に確保する。
  • 夜間気温は14℃を保ち果実の肥大を促す。

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収穫期間中に樹勢回復を図るカーテン開閉、換気、適温操作

  • 夜間は最低気温が12~13℃を割り込まないように管理する。
  • 日中の天候が悪かった夜間は最低気温を1℃位低くする。

   ※“カーテンを割る”とは、カーテンを30㎝位開けることと捉えて下さい。

ときわ耐病性キュウリ温湿度管理のポイント

    耐病性品種、特にウドンコ病・褐斑病など2種類以上の耐病性を持つ品種は、耐病性を持たない品種の温湿度管理と比べ、午後から前夜半にかけての温湿度を高めに保ち、一方で、午前は早めに換気を始めて極端な高温・蒸込みにならない温湿度管理をして、1日のバランスをとる様にします。
    また、夜間は1~2℃高い温度で過湿や過乾燥にならない温湿度管理をします。栽培の全期間を通して、温度および湿度の急変を起こさない管理を心がけて下さい。ときわ耐病性キュウリの栽培に以下のポイントを参考にして下さい。

     

  • 定植~活着までの管理で今作の成否が決します。十分な温度、過不足ない湿度の管理を行い素直な生育を促す。また、地温18℃以上、根鉢および根鉢周辺の適水分を確保し、根鉢と本圃が同化して横に縦に大きな根圏を作る。
  • 断根の購入苗は特に、根鉢や株周りの水分不足にならない様にして根の伸長を促す。
  • 主枝摘芯前の生育期は、温度や土壌水分を極端に抑えることなく素直に生育させる。また、乾いた風を当てない様に注意して雌花の生育を妨げない。
  • 主枝および下段側枝の開花頃より、午後から夕方にかけての温湿度を従来型より高めに管理して、植物体温を保ったまま日没を迎える様な管理をして果実肥大を促進する。
  • 栽培中後半に外気温が上がって換気頻度を増やすようになった時は、潅水を増やす。また、午後から夕方にかけての湿度確保を心がけて管理を行う。例えば、風が強ければ風上側の換気を閉める。通路が乾いたら通路散水をする。